全日本家庭教育研究会

平成３０年７月

 

夏休みの計画を…

梅雨が明けると、すぐ夏休みになります。最近の小学校では夏休みの課題は少なく、無い所もあるようです。地域にもよりますが、以前は「夏休みの友」とか「夏の学習」などという冊子が宿題になっていました。毎日1～２ページの量でしたが、蝉取りなどの遊びに忙しく、夏休みの最後に慌てて仕上げた児童も少なくありませんでした。今は学校も、「長期休業期間の児童は家庭にお返しします」という姿勢で、夏季休業中の水泳指導日も短くなっています。

暑さが厳しい夏休みは、「ゆとりの時間」が大切です。おうちの方も多少ゆとりある時期になるかもしれません。しかし、３０～4０日近い期間の使い方も大切にしたいものです。事前に計画をしないでだらだらと過ごしてしまうと、何をして過ごしたのだろうと実りのない夏休みを後悔することになります。夏休み前がポイントとなりそうです。

大きな目標を3つ立てて、おうちの方と挑戦してみましょう。欲張って目標が多過ぎても、難し過ぎてもよくありません。そのヒントを挙げますが、参考にして、家庭の事情に合わせた達成感の持てるものを計画しましょう。

≪丈夫な体を作る≫　

①プールや海水浴に１0日以上行く。プールで目を開け、水中の「石」などを潜って拾えること。蹴伸びや自由形で１０m以上（できれば１５ｍ）泳げると「優秀賞」です。

②近所の低い山を２つ登る。自分の水筒・弁当・雨具・着替えなどの荷物は自分で背負う。ゆっくりでいいので、15～２０分位頑張る→休息・水分補給→また、頑張る→元気に登頂・記念撮影・食事→下山で「成功」です。

③近所のラジオ体操に行く。前日、自分で目覚ましをセット→起床→洗面・着替えをして、２０日以上参加できたら「優秀賞」です。

※①～③などのどれか1つできれば最高です。おうちの方の工夫と判断で、無理のないように調整し、やり終えた達成感を大切にしましょう。

≪広い知識を育てる≫

①小学校「低学年向け」の本（司書さんに聞くと教えてくれます）

を読む。図書館へ行く→2～３冊借りて読む→図書館へ返す。夏休みに１０冊以上読破し、１冊について読書感想文が書けたら「読書大賞」です。

②ポピーのしていないところを全部する。時間が無くてできなかった部分や難しくて残っているところに挑戦する→おうちの方が丸を付けて、誉める→「ポピー終わったよ! パーティー賞」などとしてさらに誉めてあげましょう。

※①・②や家庭で考える目標のうちどれか1つができれば、最高です。やり終えたときの達成感を大切に決めましょう。

≪我が家の生活習慣を育てる≫

①交通安全の徹底をする。自転車での信号のある交差点の渡り方、人通りの少ない場所の確認など、命に関わるしつけの基本ですから、現場で児童の様子を見ながら習慣作りをしましょう。

②テレビ、ゲーム、スマホなどの時間を自分で決めます。目などの健康にも関わる大切なことです。目標は、それぞれの内容と時間をおうちの人と相談し、自己決定するようにしましょう。

※①・②や家庭で大切にしたいことのどれか1つができれば最高です。

こどもの成長は、スロープ状というより階段状です。節目の夏休み明けにはグンと大きく成長して登校することでしょう。

（全日本家庭教育研究会　本部講師　荒川　進）